糖尿病の薬には、インスリン抵抗性改善薬、インスリン分泌促進剤など、いろいろな種類があります。医師はそれぞれの薬の特徴を活かし、相性や膵臓のβ細胞のどこに働いてインスリンを分泌するかなど、細かくチェックした上で処方していきます。また、毎月、使用している薬の効果などを確認し、今の薬を続けていくのか、他の薬に変更するのか、細心の注意を払いながらHbA1cを下げる方法を探していきます。
ところが、薬だけでなく人間にも特性があり、1年位は効果の高かった薬でも、徐々に効果が落ちてしまいます。インスリン抵抗性改善薬で効果が高いとされる「アクトス」という薬も、4年間の経過を見ると元に戻っています。また、服用者の多い、血糖をコントロールするSU剤の「アマリール」や「オイグルコン」なども、約半年は効果の良い薬ですが、1年位経つと元に戻ってしまう、リバウンドの激しい薬でもあります。
私達は歳をとるため、膵臓のβデータ細胞が壊れていくのを止めることはできません。そのため、糖尿病の薬をいろいろ組み合わせても、最終的には4年位をかけて元に戻るということを繰り返してしまいます。
今までは血糖値を上げるグルカゴンに関する薬がなかったため、糖尿病の医師は「インスリンが分泌されない」、「日本人のインスリン分泌の特徴は、早期のインスリン分泌が悪い」と患者に説明してきました。また、使われる薬もインスリン分泌を改善させるものばかりでした。しかし、今後登場してくる薬は、グルカゴンとインスリンの両方を考えた薬を処方できるようになるという点がポイントです。